野村俊夫 南 良介
雪の戦線氷を踏んで
護る兵一万騎
すわや寄せ来る不逞の輩
乱れて弾の雨霰
馬は倒れる心は疾る
手綱持つ手は血の氷柱
鉄の兜に雪降り積んで
堪ぬ寒さの武者震い
捨てる生命に未練はないが
温い焚き火がしてみたや
両手擦って息吹きかけて
握る筒先凍傷の傷
死なば共にと誓いし戦友と
寒さ凌ぎの抱き寝合い
雪の褥に氷の枕
被る外套に夜の霜
寝覚めがちなる露営の夢を
月は冷たく顔に照る
夜半の嵐にふと目を覚ましゃ
明日も冷たい雪模様
昨日届いた故郷の手紙
雪の明かりに透かして読めば
恋し便りは母御の筆で
御国の為死ねとある
どうせ命は捧げた身ゆえ
白い襷も二度三度
死ぬる覚悟で突貫すれば
武運拙く怪我もせず
熱い情けの慰問の真綿
恥を知れよと身に染みる
雪の戦線氷を踏んで
護る兵一万騎
すわや寄せ来る不逞の輩
乱れて弾の雨霰
馬は倒れる心は疾る
手綱持つ手は血の氷柱
鉄の兜に雪降り積んで
堪ぬ寒さの武者震い
捨てる生命に未練はないが
温い焚き火がしてみたや
両手擦って息吹きかけて
握る筒先凍傷の傷
死なば共にと誓いし戦友と
寒さ凌ぎの抱き寝合い
雪の褥に氷の枕
被る外套に夜の霜
寝覚めがちなる露営の夢を
月は冷たく顔に照る
夜半の嵐にふと目を覚ましゃ
明日も冷たい雪模様
昨日届いた故郷の手紙
雪の明かりに透かして読めば
恋し便りは母御の筆で
御国の為死ねとある
どうせ命は捧げた身ゆえ
白い襷も二度三度
死ぬる覚悟で突貫すれば
武運拙く怪我もせず
熱い情けの慰問の真綿
恥を知れよと身に染みる