動員令

作詞　島田磐也
作曲　古賀政男

覚悟はいいか皇軍に
断乎と下る動員令
嘶け軍馬銃剣を
持つ手は唸るこの待機
用意は既に我にあり

嵐は叫ぶ大陸の
風雲急を告ぐる空
起つべき時は今ざるぞ
名誉に懸けて翻す
軍旗の下に我死なん

敵前何ぞ怖るべき
命令一下突撃す
我等は日本男児なり
天皇陛下万歳と
雄々しく散らん桜花

見よ大空に轟くは
我が空軍の爆撃機
今日こそ晴れの出征ぞ
進軍喇叭喨々と
高鳴る胸を吹き鳴らせ

海陸合わせ堂々と
歓呼の声に送られて
祖国を姿に前進す
忠烈ここにますらおが
意気早や既に天を飲む

おお東雲を劈きて
輝く御稜威天照らす
皇軍蹶起よ一斉に
国難背負う時は今
天下に激す動員令

北支戦線の歌

作詞　佐間少佐
作曲　杉山長谷夫

盧溝橋畔血は燃えて
戦友の御霊に手向け草
逸る心の駒止めて
占むる陣地や一文字

暴戻不信の輩ゆえ
流れも濁る永定河
時ぞ到らば破邪の剣
振るう正義に清むべし

鉄兜を溶かす炎熱も
夢結ばれぬ夏の夜も
重き任務を負うこの身
厭いはせぬぞ国の為

上に頂く大御稜威
後ろに挙国の声を聞く
心安かれ同胞よ
日本男児ここにあり

涙の慰問袋

作詞　福田正夫
作曲　北村輝

熱血燃ゆる河北の地
秋まだ早し胡沙の風
高梁畑に沈む陽の
落ち行く果てはいず方ぞ

配給されし慰問品
兵舎に開く袋には
銃後の民の真心の
込もりて泣かす便りかな

いたいけなくも幼き手
兵隊さんよ頼みます
仇を討って下さいね
可愛い言葉胸を打つ

後より出ずるその写真
おかっぱ姿あどけなく
討ち死にしたる戦友の
話の妹これかとぞ

よしよし戦友よ妹よ
明日は討たん敵の陣
備えて今夜磨く銃
仇はきっと僕が取る

敵には強き我が兵も
思わず落す一雫
星影暗き胡沙の風
熱血燃ゆる河北の地

国境の旗風

作詞　久保田宵二
作曲　古関祐而

風生臭き国境に
大和男子の意気高く
日の丸翳し駒進むれば
敵も影なし

矢弾の雨を潜り来て
月の塹壕に見る夢は
離れて遠き我が故郷
妻と幼子

今に大きくなったなら
鉄砲担いで剣着けて
僕も行きますいざ勇ましく
御国の為に

草刈る暇に手を合わせ
針の運びを暫し止め
祈るは一つただ懐かしき
夫の勲

正義の鉾の行くところ
山の草木も打ち靡き
国境千里空うららかに
薫れ旗風

守れ生命線

作詞　西川林之助
作曲　飯田三郎

聖戦万里皇軍の
意気高らかに衝くところ
靡かぬ草木更に無し
守れ我等の生命線

闇夜に光る流弾の
見よ山霊に木魂して
暁破る討匪行
守れ我等の生命線

固めし警備奮然と
三度四度と跳ね起きて
蜘蛛の子散らす夜半の夢
守れ我等の生命線

祖国の守りますらおの
花と散るべきこの覚悟
胡沙吹く風も何ものぞ
守れ我等の生命線